椎間板ヘルニア 症状

椎間板ヘルニアには、前回紹介した膨隆型の他に脱出型と呼ばれるものがあります。

脱出型ヘルニアは後縦靭帯を破ってヘルニアが後方に膨隆し直接ヘルニア部分が神経を圧迫するタイプです。

このタイプは破れた直後は激痛を伴うことが多いため痛みを抑えることが難しいことがあります。

以前は脱出型の椎間板ヘルニアというと、症状が強く自然回復が難しいと考えられていたため手術に踏み切るケースが多かったようです。

しかし、1990年代に入り脱出型の椎間板ヘルニアであっても3ヶ月から半年の間に自然に症状が軽減するケースが確認されました。

これは靭帯を破って脱出したヘルニアが炎症性浸潤反応を起こしたマクロファージという物質の出現で、MMPなどという酵素が働きその結果として自然縮小するといわれています。

すべての例がそうなるとは限らないのですが脱出型は保存的に治療をしているうちに症状が軽減していくことが多いようです。

ヘルニアが縮小して圧迫が少しでも軽減されれば、症状は劇的に改善されます。


椎間板ヘルニアでも、上下から椎間板が圧迫されて潰れてしまっている状態を膨隆ヘルニアと呼びます。

腰椎の椎間板ヘルニアの場合、神経根に接触したり圧迫が加わったりする事で激痛や下肢の痺れを引き起こします。

膨隆が約2ミリ程度になると「グレード3」と呼ばれ神経痛が出始めるのですが、椎間板ヘルニアと診断されるのは膨隆が約3ミリ程度になる「グレード4」と呼ばれている状態からが多いようです。

膨隆型の椎間板ヘルニアは、後縦靭帯と共にヘルニアが盛り上り神経を圧迫したものです。小さいタイプなら2から3ヶ月の保存的な治療を行うと神経は圧迫されたままですが神経も元気になって症状が軽減してくるようです。

ところが大きく神経を圧迫している椎間板ヘルニアだと、しばらく保存的な治療をしてもあまり症状が変わらないこともあります。

痛みや痺れが継続的に起こり、筋力の低下が見られるようになると手術をすすめられることが多いようです。


椎間板ヘルニア症状は、椎間板を飛び出した髄核の状況によって左右されます。

膨隆が3ミリ程度になると、症状として激しい神経痛を伴い医学的に椎間板ヘルニアと診断されることが多いようです。

一般的に腰椎の椎間板ヘルニアの症状としては、腰痛や腰・足先の痺れ、感覚障害などがあげられます。

私の場合もそうですが、若くして椎間板ヘルニアを発症してしまった場合、高齢者と比べて椎間板の内圧が高いために症状が強く出やすいといわれています。

症状の程度にもよりますが、椎間板ヘルニアを発症してしまうと身体を動かすたびに激しい腰痛や下半身の痛みに襲われ立っているのも辛い状態に陥ります。

ただし、すべての椎間板ヘルニア患者がそうかといえば、そうとはかぎりません。

私のように症状が軽い場合だと、日常生活を送るにはほとんど問題のないケースもあります。

そうはいっても、痺れが強く出ているときは布団から起き上がることが困難になることもあるので、全く問題がないわけではありませんが・・・

椎間板が裂傷や炎症を起こしてしまった場合は、腰痛や骨盤の痛みが症状として現れてきます。

裂傷だけであれば、数日で症状が消えるケースがほとんどですが、炎症を起こしてしまっているとそうはいきません。

炎症が激しくなると、水分を吸収した椎間板が腫れ上がり「膨隆」と呼ばれる状態になります。

膨隆が3ミリ程度になると、激しい神経痛を伴い医学的に椎間板ヘルニアと診断されることが多いようです。